【開催報告】地域円卓会議を開催しました|沖縄における大規模災害時の支援を考える

2026年3月22日(日)、那覇市のなは市民活動支援センターにて「沖縄における大規模災害時の支援を考える地域円卓会議」を開催しました。NPO・市民活動団体、企業、メディア、行政など、多様な立場から70名(会場46名、オンライン24名)の皆様にご参加いただきました。
■ 開催の背景とこれまでの歩み
沖縄における災害支援ネットワーク(災害中間支援組織)づくりに向けて、2023年8月より関係者間での検討をスタートさせました。勉強会や、九州・北海道など県外の先行事例や取り組みからも学びを得ながら 、2025年10月からは準備会を月1回のペースで開催してきました。今回の地域円卓会議は、これまでの議論を広く共有し、ひとつのまとめ・区切りとして開催したものです。今後は、本会議での議論を活かし、2026年中のネットワーク設立を目指していきます。
■ 開催概要
- タイトル:沖縄における大規模災害時の支援を考える地域円卓会議
- テーマ:大規模災害発生時に、島嶼県沖縄で何が起こるのかを共有し、その時、発生する困りごとに対応する民間ネットワークのあり方と役割分担を考える
- 日時:2026年3月22日(日)13:00〜16:00
- 場所:なは市民活動支援センター 会議室1(那覇市銘苅2-3-1 なは市民協働プラザ2階)
- 参加者数:計70名(会場46名、オンライン24名)
- 主催:一般社団法人災害プラットフォームおきなわ
- 共催:認定NPO法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク
- 協力:公益財団法人みらいファンド沖縄、NPO法人まちなか研究所わくわく
■ 論点提供文
「現在、国の防災基本計画の下、災害支援ネットワーク(災害中間支援組織)と呼ばれるネットワーク型の組織が全国各県で立ち上がっています 。このネットワークは、行政の公助だけでは限界があるという前提で、被災地情報の集約・物資やボランティア等の受け入れのミスマッチの防止、様々な専門支援の調整を行う、等の機能を期待された民間のネットワークです 。すでに27都道府県でそのネットワークが立ち上がり、沖縄県ではようやくネットワーク立ち上げの議論を始めるという段階となりました 。今回の円卓会議では、島嶼県沖縄県内で大規模災害が起こった際のシミュレーションを確認しながら、このネットワークの重要性や課題を共有します 。」 (論点提供:宮平 未来 / 一般社団法人災害プラットフォームおきなわ 事務局長 )
■ 着席者(敬称略)
- 論点提供:宮平 未来(一般社団法人災害プラットフォームおきなわ 事務局長)
- 照屋 雅浩(沖縄県知事公室 消防防災対策課 副参事)
- 池田 佳世(沖縄県 生活福祉部 生活安全安心課 副参事)
- 前原 土武(災害NGO結 代表)
- 神元 幸津江(認定NPO法人 全国災害ボランティア支援団体ネットワーク)
- 篠原 辰二(北の国災害サポートチーム 代表)
- 伊良皆 和弘(社会福祉法人沖縄県社会福祉協議会 地域福祉部長)
- 金城 礼子(株式会社FMよみたん 取締役・放送局長)
- 比嘉 吉昌(コープおきなわ バックアップ本部 本部長スタッフ)
- 司会:平良 斗星(公益財団法人みらいファンド沖縄 副代表理事)
- 記録:宮道 喜一(NPO法人まちなか研究所わくわく 代表理事)

■ 当日の議論と「3つの提言」
会議では、提示されたテーマに沿って、各着席者がそれぞれの立場から情報を共有し合いました。行政の仕組みと民間のきめ細かい支援の連携、島嶼県ならではのリスクなどについて多角的な視点から活発な意見交換が行われました。
開催後、主催の災害プラットフォームおきなわ、ならびにみらいファンド沖縄、まちなか研究所わくわくより、本会議の議論を踏まえた報告書を作成し、次の展開へつながる以下の「3つの提言」を示しました。
- 提言1:民間ネットワーク設立(2026年度)と、ネットワークの持続的な「質の更新」
「災害中間支援組織」を立ち上げる際には以下のことを留意すべきです。このネットワークは、情報の集約、物資や民間支援組織(ボランティア団体や企業等)のマッチング、専門支援の調整という四つの中核機能を担わせるとともに、平時から外部支援団体の信頼性を確認し合える関係性を育てることが求められています。 ネットワークは固定された組織ではなく「繋がりの質」そのもの。中心人物の異動や不在によって機能が失われないよう、役割や連携の仕組みを明文化し、組織やある個人に依存しない持続的な運営体制を構築する必要があります。特に人事異動が避けられない行政側とも「顔の見える関係」を絶やさないための継続的な対話の場が不可欠です。多様な主体を巻き込みながら、14の分野別にリソースの棚卸しと弱みの把握を進め、沖縄独自の支援の形を具体化していくことが今後の大きな柱となります。 - 提言2:行政・社協・民間の「受援力」向上と、官民一体の受援体制構築
大規模災害時、行政が責任を背負いすぎる姿勢を脱却し、外部・民間の支援を適切に受け入れ、頼る力「受援力」を高めることが重要です。過去の事例が示すように、平時に繋がりのない相手からの支援は、有事に受け入れられないことがあります。行政の訓練への民間の日常的な参加等、「顔の見える関係」を実績として積み重ねておくことが、スムーズな受援の前提となるでしょう。 行政という「大きな網」と民間という「細かな網」を重ね合わせることで、制度の枠から漏れてしまう被災者(在宅避難者や支援が届きにくい層)への対応が可能になります。具体的には、行政の災害対策本部に民間支援チームの役割をあらかじめ組み込み、発災当日から即座に連携できる座組を平時から設計しておくことが求められます。 外部資源が入りにくい島嶼県・沖縄においては、県内の受援体制の整備が他県以上に重要な意味を持ちます。行政・社協・民間の三者が対等に頼り合える関係性こそが、140万県民の命を守る基盤です。 - 提言3:沖縄の特性を踏まえた「災害の解像度」向上と、県・市町村をつなぐ多層的なアプローチ
大規模災害の経験が乏しい沖縄において、発災時に何が起こるのかという「災害への解像度」を県民全体で高めていく活動を継続すべきです。島嶼県特有の物流寸断・孤立リスク、そして食料供給の脆弱性といった沖縄固有の課題を広く共有し、支援への意識を日常的に更新し続けることが第一段階です。コミュニティFMや生協といった日常的なネットワークを持つ民間団体を訓練や計画に組み込み、「平時と非常時の関係性」をアップデートしながら、具体的な役割分担を明確にしていくことが不可欠です。 あわせて、この取り組みを県レベルにとどめず、市町村単位へと展開していくことが次の重要な手立てです。住民が災害を「自分事」として捉えられるよう、県と連携しながら各市町村に出向き、地域の実情に即した対話を積み重ねることが求められます。特に人口規模の小さな自治体ほど、発災時の人的リソース不足が深刻であり、平時からの解像度向上が直接的な備えとなります。 その際、県規模でのマクロな調整と、市町村・地域レベルでのミクロな対話は、それぞれ異なるアプローチを必要とします。両者の役割を丁寧に整理しながら重層的なコミュニケーション設計を進めることが、実効性ある備えへとつながります。
この円卓会議で見えてきた課題や提言をもとに、2026年中の災害支援ネットワーク設立に向けた動きをさらに前進させていきます。
ご参加・ご関心をお寄せいただいた皆様、誠にありがとうございました。
■ 報告書
■ 開催告知ページ(災害プラットフォームおきなわ)
https://dmpokinawa.com/blog/2026/02/28/okinawa-disaster-roundtable/
■ 関連リンク


